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ブルガリアン・ボイスの魅力 [音楽アラカルト]

ブルガリアン・ボイス、ブルガリアン・シンフォニーとも呼ばれる独特な響きをもった合唱です。初めてその響きを聞いたのはたしか芸能山城組という芸術団体の演奏だったと思います。

昨年、NHKでブルガリアン・ボイスを特集していたのを見て、改めてその魅力を再発見し、それ以降、頻繁に聞いています。別カテゴリで紹介している「音のレッスン」の中で「徹底的に周囲の音を聴く」ということについて触れているのですが、その練習にもちょうどよいのです。

本家本元はブルガリアの「フィリップ・クーテフ・ブルガリア国立合唱団」。この国の各地方に伝わっていた民謡をフィリップ・クーテフという音楽家が収集し、彼はそれらに西洋的なアレンジを施し合唱曲に仕上げました。これがブルガリアン・ボイスと呼ばれるものです。

ブルガリアという国は地図で見るとルーマニア・トルコ・ギリシャなどの国に接していて、一言でブルガリア民謡といっても、内容的には多様です。東欧の宗教音楽、ジプシー音楽、アラブ・イスラム音楽、いろいろな要素が含まれているように感じます。

それらの民謡のもともとの旋律的な特徴と「こぶし」のような歌い方の特徴に加え、フィリップ・クーテフは独特なアレンジを加えました。

主旋律・副旋律・低音部の3声構成が基本で、西洋和声学では「不協和音」として扱われる音程を多用しているのです。低音部で一音が長く引き伸ばされて歌われることによって、他の旋律と不協和音程で重なりやすくなるということです。

そうしたいくつかの特徴が絡み合い、独特の響きを作り出しています。簡単なようで奥の深い響きです。歌うのは非常に難しそうです。

フィリップ・クーテフ・ブルガリア国立合唱団の演奏はYouTubeで聞くことができます。ここではブルガリア民謡ではなく、あえて日本の子守唄を歌っているめずらしい映像があったのでご紹介します。

この合唱を聞きながら、私は自分が参加しているコーラス団体「風の歌」のことを思い起こします。響きは当然異なるにしても、歌い方や歌っている最中の意識にどこか共通したものを私は感じてしまうのです。

・「風の歌」ならこの曲をどのようなアレンジでどんな風に歌うのだろうか。
・国立合唱団がまさか「後ろに声を出して・・・」などという練習はしていないだろうが、普段どんな練習をしているのか・・・

いろいろと興味はつきません。ブルガリアン・ボイスは普通は女性コーラスで歌うものですが、私も機会があれば体験してみたいです。



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