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個人レッスンの様子 (1) [体験記:音のレッスン(完)]

今回は私が受けている個人レッスンの様子をご紹介します。

個人レッスンは多くの人は月1回ペースらしいですが、私は1~2ヶ月に1回程度のペースです。あらかじめ決まった受講可能日・指定日のようなものがあるわけではなく、その都度先生と相談して、次回の予定を決めていく感じです。

レッスンは先生の自宅で行われます。和室にグランドピアノが置かれていて、先生は演奏用椅子、私はピアノの横に用意された椅子に座ります。

最初は先生が用意してくださるお茶を飲みながら、少しお話タイム。音楽の話に限らず、最近読んだ本の話だったり、世間話も交えて情報交換したりしています。意外な先生との共通の関心事項があったりして、話がはずみ楽しい時間です。

そして、「そろそろ始めましょう」の声でレッスン開始です。

課題1:和音を聞いて、その和音名を答える

先生がピアノでスタッカート気味に短く「ドミソ」と弾いたら「CEG」とドイツ語でパッと答え、すぐに次の和音の移り、またパッと答える、それを小気味良いテンポで延々と繰り返していきます。

いきなりドイツ語が出てきてビックリなのですが、それには理由があるそうです。

一つは和音名をなるべく短い名前で呼びたいということ。「CEG」は「ツェ・エー・ゲー」と区切るのではなく、「ツェゲェ」とあたかも1字の音のように発音します。英語ではどうしても1字のように発音できません。それがドイツ語を使う理由の一つです。

もう一つの理由は、音楽の専門的なレッスンを受けていない人でも、学校の音楽教育等の影響で「ドミソ」はこういう和音みたいなイメージができあがっており、それが邪魔ということらしいです。

要するに、音楽のレッスンだからドイツ語でということはまったく無く、単純に機械的にある和音にある名前/ラベルを対応させるのにドイツ語が便利ということにすぎません。

少し話が横道にそれたので、元に戻します。

この課題は音大の試験に出てくるいわゆる「和音聴音」の訓練ではありません。あるハーモニーに対してパッと反応する、そういう耳の感覚を養うことなのです。目的がまったく違うのです。

先生が「ドミソ」を弾いて、私が「CFA(ツェファ)」と間違って答えたとしても、そこで止まることなく、先生が正解の「CEG」を言って、すぐに次の和音に移ります。これをどこまでも小気味良いテンポで続けていくのです。

正解/不正解にこだわる必要はなく、むしろ、「正解を答えなくては」という意識を働かせたり、正解を暗記しようとすることを注意されます。常に答え・正解を要求される学校の授業とは全然異なります。

「この課題をこなしていくと、頭で考えなくても体の細胞が勝手に反応するようになるから大丈夫」と先生はおっしゃいます。日常生活で当たり前になっている「頭で考える」「頭で判断する」習慣を離れて、「細胞で感じる」という感覚を養うことがこの課題の目的なのです。私はまだまだ考えようとしてしまいますが。

ちなみに音大生のように、既に和音聴音の訓練を十分に積んだ人の場合、素人と違って和音を言い当てることは何でもないことです。そういう人に対してはこの課題では「感覚の訓練」という目的を達成できないので、何か別の課題を行うようです。

課題2:和音を弾いて、その構成音を順番に歌う

先生がピアノで「ド・ミ・ソ」と弾きながら、「ツェ・エー・ゲー」と1音ずつスタッカート気味に歌うので、その2つの音を聞きながら、自分も「ツェ・エー・ゲー」と1音ずつ歌います。

課題3:和音を弾いて、その中の1音を歌う

先生がピアノで「ドミソ」の和音を弾きながら、その中の1音を「エー」と長く歌うので、その2つの音を聞きながら、自分も「エーー」と歌います。1音をじっくりと声に出すので、(2)よりもさらに集中が求められます。

課題2からはいよいよ「音をよく聴きながら、声を出す」という練習です。ここからは???という感じで、未体験ゾーンへ突入です。

先生の教え方・口調は決して厳しくなく、むしろ和やかな感じですが、音に対するチェックはシビアです。ニコリとしながら、なかなか鋭いことをおっしゃいます。

私が出した声に対して、先生からは
 「声を前から出していますね、そうではなくて後ろに声を出して」
 「声帯を使って声を出したでしょう」
 「エネルギーが落ちているのでもっと回転数をあげて」
 「私(先生)の声も射抜いて、声を限りなく遠くに」
といった具合に、通常の音楽のレッスンでは考えられないような不思議な指摘を受けるのです。

最初は戸惑いましたが、何度かのレッスン、その他の先生のお話などから、何となくですがその言わんとするところがわかってきた感じです。この点については長くなりそうなので、別記事として書いていきます。

課題4:賛美歌を歌う

レッスンの最後の課題として、賛美歌集の中から先生が1曲選び、ピアノの伴奏で先生と一緒に歌います。私は男性なので、今のところバスのパートを歌います。

この課題、かなり緊張してしまいます。というのは私は譜面が読めないので、いきなり楽譜を渡されても困るのです。最初は先生が同じパートを歌ってくださるので一緒に歌えばよいのですが、先生が別のパートを歌いそれにあわせてバスを歌うのが大変なのです。

しかも、(2)(3)で指摘された声の出し方にも注意をしながらです。頭の中はオーバーヒート気味です。

幸いなことに、器楽曲のように複雑な楽譜ではないし、特にバスのパートは音の上下がそれほど激しくないので何とかなっています。

また、先生も譜面が読める・読めないを問題にしていない様子なのです。間違えを指摘はされますが、怒られることはありません。「耳がひらいてくれば、自然に覚えるし歌えるようになるから」ということらしく、譜面は参考・補助にすぎないようです。

以上で課題終了です。この後、先生が即興のピアノ演奏を聞かせてくださいます。

生徒をピアノの前に座らせ、好きな1音を選ばせ、ピアノで好きなようにその1音を弾かせます。先生はその横に座り、生徒の演奏に合わせて、自由に感じるままに即興で演奏するのです。

これでレッスン終了。1回当たり2時間前後です。

なお、ご紹介したのは入門したばかりの私のケースであり、レッスン歴の長い人も同じ課題をこなしているかどうかはわかりません。

今回は課題の紹介を中心に書きましたが、次回は少し視点を変えて、もう少しだけレッスンの様子について綴っていきます。
タグ:耳をひらく
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