「宇宙人がくれた21世紀の英智と音楽」 [書棚の中の1冊]
昨日はコーラスの練習の日でした。メンバーが作り出している音の響きに対して、先生がいろいろな指示やアドバイスを与えます。音楽の練習なので音楽的なことはもちろんですが、それ以上に多いかなと思うのが各自の意識のあり方についての話です。
声は人が発するものであり、その声を合わせて一つの響きを作り上げていく。全ては生身の人間による行為なので、一つの音を出すだけであっても、そこには音を出す瞬間のその人の全てが込められていると言えます。
喉の調子とか肉体的なことはもちろん、練習に参加する直前までの楽しいことや悲しいことなど日常の中での出来事に付随する心の状態とか、全てはその瞬間の音に現れているのです。
とはいっても、それを他人はもちろん、本人でさえ意識できているかどうかは別問題です。その点、先生はレッスンを通じて多くの人の声・響きを聞いてきたので、敏感に本人の意識の状態を感じられるのかもしれません。もし、先生に頼らず自分で自分の状態をチェックできる方法があるとしたら、その一つの方法が「想念観察」かもしれません。
さて、その人の現時点での最高の声と意識の状態があるとして、それを発揮できないことが普通なわけです。雑念が湧いて集中できない、緊張する、いい所を見せようとする・・・、いろいろ要因があると思いますが、それを一言で言うなら、「エゴが干渉している」ということだと思います。
昨日の先生の話で印象的だったのは「エゴは巧妙だ」というお話でした。エゴが自分から「私がエゴです」とわかりやすい形で現れること(本人の意識に干渉するということ)は稀で、とても巧みに自分を隠しているのです。
前置きが長くなってしまったのですが、この本はこの想念観察について、とてもやさしくわかりやすく書いてある本です。文字サイズも大きいし、本文中のイラストも漫画みたいで、その気になれば1時間程度で読めそうな、一見子供向けの本のようなのですが、そこに書かれている内容はとても深いものです。
先生のお話にあった「エゴは巧妙だ」ということに関しても、「あなたは想念の餌食になるのか」という章で詳しく紹介されています。
一番手ごわい横綱級の想念は「判断想念」というもの。これは十分に研究し、用心する必要があるようです。これはある想念を分析し・判断しようとして連鎖的に発生する想念です。核分裂みたいなものです。
もし皆様が私の話に興味を持って、「想念観察を実践してみよう」という最初の想念が湧いたとします。後は何も考えずに継続して実行するのみなのですが、そうはいきません。
「こんな方法でうまくいくのか」
「ただ想念を見るだけで、何の役に立つのか」
「やっているつもりだけど、正しく観察できているのか」
「こんなこと続けても意味無いんじゃないのか」
「もっといい方法があるのでは」
実はこれらも全て想念(「判断想念」という想念)であり、観察の対象でしかないのですが、よほど注意しないと想念に捕われて別の方向へ行ってしまうということです。
想念観察はシンプルだけど奥が深いものだと、この本を通じて学びました。
タグ:想念観察
2012-04-15 16:30
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