「宇宙が味方の見方道」 [書棚の中の1冊]
小林正観氏は昨年亡くなりましたが、生前多数の著作を残しています。私が彼の本を夢中になって読んでいたのは10年ぐらい前でした。
彼の本には、彼なりの人生論・宇宙論が語られていると同時に、ちょっとした逸話やうんちくなども多数紹介されていて、とにかく読んでいて楽しかったし、次も読んでみたい、そんな気持ちにさせてくれたものです。
私も氏のようなやさしい語り口調で文章を書けたらと思うのですが、どうも理屈っぽい文体になっていけません。
さて、「宇宙が味方の見方道」をご紹介するのは、この本が最初に買った本であったというだけで、あまり深い意味はないのです。もし彼に興味を持たれたのであれば、書店に行って自分のお気に入りの1冊を見つけてはいかがでしょうか。
この本では、誰もが抱えているような仕事・お金・人間関係の問題、それらを難しい理屈をこねるのではなく、やさしく、また、暖かい語り口調で紐解きながら、「こういう見方をしてみたらどうですか、楽になると思いますよ」という風に話がまとめられています。(上の画像をクリックすると、本の目次の紹介ページにジャンプします)
彼の人生論・宇宙論の中で私自身が「なるほど」と気づかせてもらったことは多くあるのですが、その中で特に印象的なことを2つほど簡単ではありますが、ご紹介させていただきます。
頼まれごとの人生
この本の中では第3章にあたりますが、「頼まれごとの人生」という考え方です。
多くの人は人生を目標達成のプロセスと考えています。何か目標を設定して、その実現に向けた計画を立て、その計画を遂行していく、そこに生きる価値がある、そういう考え方ですね。
こういう「目標設定する人生」に対して、彼は「頼まれごとの人生」というもう一つの生き方を提案しています。
「頼まれごとというのは、自分にしかできないことを頼まれるだから、ひたすらそれを謙虚な気持ちでこなしていくだけでいい、それが結果として自分の使命・天命につながっていく」
「なるほど」と思い、それ以降の自分の人生に影響を与えている考え方です。
人生のシナリオは決まっている
この本の中では第4章で紹介されていますが、「人生のシナリオは決まっている」という考え方です。
これは「運命は生まれたときから決まっているのか」という深いテーマですが、彼は100%決まっているという考えです。
100%決まっているとしたら、自分がすべきことはただ一つ、「目の前のことを大切にすること」だけです。スピリチュアルな教えには「過去や未来ではなく、今、この瞬間を大切にして生きなさい」という教えがあります。禅の世界でも「意識を一呼吸、一呼吸に集中する、他は雑念」と言われます。
この意味を彼なりの文章でやさしく説明してくれています。この人生観を前提に、先にご紹介した「頼まれごとの人生」という考え方が導かれるのでしょう。
今、私は「音のレッスン」(別カテゴリで紹介しています)を受けていますが、そこでは「1音1音に意識を集中すること」を学んでいるのですが、そのレッスンも「ただ目の前のことを大切にすること」に通じていくのではないか、この文章を書きながらふとそんな気がしました。
タグ:運命
2012-02-01 11:32
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